14. AI「イカ男」自画自賛!
YouTubeを見ていたら、米国では大卒の雇用が悪化しているようで、その原因は生成AIの普及だそうです。新規採用者がやるような事務作業はAIで十分まかなえ、しかもコストが安く、働かせ放題だからですね。実際、イカ男もデータ整理や統計処理、英文校閲はChatGPTにやってもらっています。今回は、いままでイカ男が書いてきた「科学哲学のよーな」をChatGPTに読み込ませて、イカ男だったら生成AIについて何を書くかとお題を出してみました。イカが、いえ以下がその回答です。
最近よく耳にする「生成AI」ですが、イカ男にとってもとても面白い存在だと思っています。なぜかというと、AIが出す答えは、科学者が頭の中で組み立てる「仮説」とよく似ているからです。AIの文章や画像は「真実」ではなく、膨大なデータをもとに「おそらくこうだろう」と予測して出力しているにすぎません。それでも、多くの場合は納得できる答えが返ってきます。ここに科学とAIの共通点を感じるのです。
「AIは客観的な答えを返す」と思われることもありますが、実際には違います。AIが学習しているのは、人間が書いた主観的なデータの集合体です。ですから、AIの文章は「人間の主観の寄せ集め」と言えます。イカ男が以前「冷えたビールのおいしさは共有できない主観だ」と書いたことがありましたが、それと同じです。AIの出力も、人間の視点が折り重なったものにすぎません。
イカ男は、人間の脳(とくに前頭前野)は「未来を予測するための器官」だと考えています。たとえばテニスのリターンを読むとき、研究で仮説を立てるとき、漁船を操るときの直感も、すべて「次に何が起きるか」を予測しているのです。AIも同じで、「次に来る単語はこれだろう」と確率的に予測を繰り返しています。だからAIは、人間の脳の一部を外に取り出したような存在だと感じています。
「若者・よそ者・馬鹿者が地域を変える」とよく言われますが、AIはまさに「よそ者」にあたるでしょう。外から膨大な知識を持ち込み、思いもよらない答えを返してくれるのです。ときには首をかしげるような答えもありますが、それが「馬鹿者」としての創造性につながります。AIは「正解を教えてくれる先生」ではなく、「思考の壁を壊すきっかけ」として活用するのが良いと思います。
イカ男はこれまで、イカの移動や資源変動を海流モデルと平衡石分析から推定してきました。しかし、その仮説が完全に正しいかどうかは分かりません。研究者にとって大事なのは「仮説を立て続けること」です。AIも同じで「仮説をつくる機械」と言えるでしょう。AIの答えをそのまま信じるのではなく、自分の観察や直感と照らし合わせて、次の問いを生み出すきっかけにする。それこそが、生成AI時代における研究者の生き方だと考えています。
どうですか? けっこう読ませますね。AIのすごさを再確認してしまいました。特に、仮説設定こそAIを使うべき、というのは目からウロコでした。なぜなら、仮説は「創造」だから人間にしかできないと思っていたのですが、「原因と結果を順序よく並べた物語」だとすると、AIの方が調査・実験の結果から無数の仮説を先入観なしに作り出してくれそうです。あとはより筋の通った仮説を選び出し、検証するための調査や実験を考えればいいわけです。それもきっとAIが指示してくれるでしょう。幸か不幸かAIはまだ物理的作業ができないので、少なくともロボット技術が進歩するまで生データは人間が収集しなければなりません。でも、うかうかしていると我々はAIの補助員になりかねませんね。
ところで、先の文章のタイトル案をChatGPTに5つ考えてもらいました。さて、イカ男とどちらのセンスがいいでしょうか??
- 「生成AIは仮説の仲間? イカ男が考えるAIと科学」
- 「AIは真理を語らない。でも仮説は生み出す」
- 「よそ者としての生成AI ― イカ男の研究日記」
- 「AIは道具、それとも脳の外部化? 科学とAIの似ているところ」
- 「生成AIと研究者の生き方 ― 仮説を立て続けること」