科学哲学のよーな
5. 若くも天才でもないので

私は以前、佐賀県の公務員だったので、「地方創生」や「町おこし」などといった事業に多少関わっていました。書店にはその手の書籍があふれていて、キーとなるのは『若者』、『よそ者』、『馬鹿者』などといったことを読みました。若者は […]

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ケンサキイカ
14. 帰りたい 帰れない

以前は図鑑などに「バショウカジキは時速100キロ、マグロは時速80キロで泳ぐ」などと書かれていましたが、現在はバイオロギング技術が進み、学術論文などではバショウカジキの平均時速は約2キロ、マグロは約7キロと報告されている […]

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ケンサキイカ
13. イカロケットの秘密

イカ類は2種類の方法で海中を移動することができます。1つはヒレを波状にひらひら動かしてゆっくり移動する方法、もう1つは漏斗から海水をジェット噴射させて素早く移動する方法です。一方、魚類の多くは、体を左右にくねくねさせなが […]

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ケンサキイカ
12. イカは宇宙人ではないのか?

今回はイカの長旅をささえる体の構造について、考えたいと思います。そもそもイカは、無脊椎動物のなかの軟体動物に分類されます。なので、サザエやアサリなどの貝類の仲間ということになります。少し意外かもしれませんが、コウイカには […]

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ケンサキイカ
11. 最大の謎

イカ類の移動を考えるうえで、最大の謎があります。それは、イカは自力で移動しているかということです。具体的には、産卵のために特定の海域まで泳いで移動しているのか、です。多くの方は、当たり前じゃないかと思うかもしれませんが、 […]

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ケンサキイカ
10. イカ男の名にかけて

以前、粒子追跡実験をした結果、天草海から移動する粒子を見て気づいたことがあった、とお話ししました。つまり、ケンサキイカが東シナ海南部から黒潮に沿って、いったん九州の西に位置する天草海まで北上したにもかかわらず、また鹿児島 […]

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科学哲学のよーな
4. 予測する快楽

イカ男はいま九州大学の大学院で海洋モデリングを学んでいます。海洋モデリングの「モデリング」はもちろんモデルからきていて、モデルの意味には「ある事象について、諸要素とそれら相互関係を定式化して表したもの」というのがあります […]

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ケンサキイカ
9. 変化する対馬暖流

先日(2022年5月27日)放送されたNHK福岡の「ロクいち!福岡」というニュース番組の情報コーナーで、福岡県沿岸でのケンサキイカの不漁について、インタビューを受けました。イカ男はここ数年、現場から離れているので、不漁が […]

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ケンサキイカ
8. 「精子バンク」で保険をかける

春にとれるメスのケンサキイカは、オスとは違って、特に大きくなることはありません。成熟をいったん開始したメスは、たとえ水温が低下しても成熟の状態を維持し、生殖腺重量指数は変化していませんでした(Yamaguchi et a […]

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科学哲学のよーな
3. 頭より運?

ある種の数値分析結果がまとまって、研究者仲間で共有できたとします。これがいわゆる「客観的なデータ」でした。ここからそれぞれの研究者が導き出す結論は、同じでしょうか? 演繹的な作業を続けるのであれば、ほぼ同じ結論が出なけれ […]

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